阿見西瓜部会では以前より有機物の堆肥作りに力を入れています。納豆成分を活用したぼかし堆肥を使うことにより、甘みの増したすいかが作れるようになりました。「紅大」「紅孔雀」を筆頭に、「羅皇」「ブラックジャック」 の栽培にも取り組んでいます。 農家の人々

野原さんの大玉すいか

阿見西瓜部会では以前より有機物の堆肥作りに力を入れています。納豆成分を活用したぼかし堆肥を使うことにより、甘みの増したすいかが作れるようになりました。「紅大」「紅孔雀」を筆頭に、「羅皇」「ブラックジャック」 の栽培にも取り組んでいます。

歴史ある産地の挑戦

JA茨城かすみ 阿見西瓜部会 部会長 野原 秀亮さん
JA茨城かすみ 阿見西瓜部会 
部会長 野原 秀亮さん

たっぷりと水分とミネラルを蓄えるすいかは、暑い時期に出回り、体の渇きを癒やしてくれる夏の果実のひとつです。
茨城県は関東で千葉県に次ぐ生産量を誇るすいかの産地で、特に平坦で水はけのよい火山灰土壌と温暖な気候に恵まれた阿見町は、栽培歴50年以上の歴史を持つ大玉すいかの産地です。昭和40年代には各集落で多くの方がすいかを栽培しており、阿見のすいかといえば当時から人気の高い品種「紅大」を指すと言われるほどでした。

JA茨城かすみ阿見西瓜部会では以前より有機物の堆肥作りに力を入れ、その努力が実り、平成2年に茨城県銘柄産地の指定を、平成22年には青果物銘柄推進産地の指定を受けました。現在でも市場からの評価は健在で、産地指名で注文が来るほどです。

一玉8kgほど、大ぶりのサイズと鮮やかな紅色の果肉、甘みが強いシャリシャリした口当たりが人気の「紅大」「紅孔雀」を筆頭に、近年では紅大の改良品種である「羅皇」、種無し品種の黒すいか「ブラックジャック」の栽培にも取り組んでいます。

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後を継ぐ決意

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JA茨城かすみの阿見西瓜部会長を担う野原さんは、部会のなかでも新進気鋭の若手農家で、今から10年前に会社を退職し家業を継ぎました。すいかを栽培する親の背中を見て育ち、子供の頃から農作業を手伝っていましたが、学校卒業後は農業とは別の職種に就職、後を継ぐことは考えていなかったといいます。しかしそんな野原さんに転機が訪れます。

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「仕事が休みのある日、農作業を手伝っているといつもは気丈な母がふと『すいか栽培は重くて大変だ』とつぶやくのを耳にしたんです。」大玉すいかは品種にもよりますが一玉8kgほどの重さがあります。まだまだ元気な両親ですが、約2haの圃場での作業は相当の負担があるのでしょう。その言葉を耳にしてから、将来を農業の道一本にしぼり両親を手伝うことに決めました。

茨城ならではの土作り!?

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阿見のすいかの人気の1つ、11度以上の糖度のひみつはこだわりの土作りにあります。
部会では有機質をたっぷり含んだ堆肥作りを推進しており、部会員それぞれが長年の経験と研究に基づくオリジナルの土作りを行っています。

野原さんのお宅では、籾殻や糠といった植物性有機物に納豆成分を入れたぼかし堆肥を活用しています。納豆菌を活用した土作りは県内の大学の研究室でも研究されており、納豆菌で糠を発酵させることで糠の栄養分の塊を分解し、すいかの成長に効果的なことはもちろん、土中の微生物の活性にも貢献します。
この堆肥を使い始めてから、以前よりも甘みを増したすいかを作れるようになったそうです。

あま~い「すいか」ができるまで

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圃場ではハウスと露地の栽培を行っています。
「紅大」「紅孔雀」「羅皇」はトンネルの中にミツバチを放ち受粉を行いますが、近年始めた「ブラックジャック」は種なし品種のため自らの花粉では結実しません。他の品種の花粉を用意し一花ずつ手で人工授粉しているそうです。「受粉しても太陽の光が足りなければ実がつかないこともありますので、実が膨らむまで予断を許しません。小さなすいかの実ができてやっと一安心できます。」と野原さん。

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その後も収穫まで季節外れの雪やゲリラ雷雨、急激な気温の上昇が起きるたびに防寒や換気をこまめに行い、実の成長を見守ります。着果から40~50日後、積算温度(毎日の平均気温を合計したもの)が1,000℃を超えたらいよいよ待ちに待った収穫の時期となります。
JAの職員さんとともに一玉試し割りをし、すいかの中心部と縁部分を糖度計で測ります。
取材当日は偶然にも試し割りの日。11度以上で出荷が可能なところ、糖度計が表示した数値はなんと13度。申し分ない甘さとなっていました。

量販店でも阿見産をアピール

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箱詰めを待つすいかたちは圧巻の一言です。等級ごとに場所を分け一玉ずつ表面を柔らかな布で磨き、部会のオリジナルステッカーを貼ります。
近年では消費者のニーズに合わせて関東、関西の市場ごとに好まれるサイズを選別し出荷したり、一口サイズのカットフルーツ用の出荷もはじめました。玉のすいかには阿見町の「あみ観光協会」のキャラクター「スイカのまいあみちゃん」を、一口サイズに切り分けてプラスチックケースに入れた加工すいかには可愛らしいオリジナルキャラクター「あみ果ちゃん」のステッカーを貼り、量販店に並んだときも阿見ブランドをアピールできるように工夫しています。

部会ではもっと阿見のすいかに親しんでもらおうとJAや行政と協力し、町内8校の学校で食育体験として子どもたちにすいかの栽培方法を指導しています。また、ゴルフやサッカーのイベントで賞品として入賞者に贈呈されることもあるそうです。

出荷は5月半ばから7月半ばまで。6月の旬に向けて生産者は忙しい日々を送っています。JA茨城かすみ農産物直売所「愛菜園」の店員さんによると、直売所でも6月から入荷が始まるそうです。ぜひご家族でお召し上がりください。

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取材協力

JA茨城かすみ 阿見営農経済センター

〒300-0333 茨城県稲敷郡阿見町若栗下原2243-4

TEL :
029-889-0621
WEB :
http://www.ib-ja.or.jp/ja/kasumi/

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JA茨城かすみ 農産物直売所「愛菜園」

〒300-0333 茨城県稲敷郡阿見町若栗1901-1

TEL :
029-887-8395
営業時間 :
9:30~18:00
休日 :
年中無休(盆・年末年始を除く)
WEB :
http://www.ib-ja.or.jp/ja/kasumi/tyokubai.html#1

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